桜の季節が終わり、これから夏に向けて、気温がだんだん高くなってくると、気になってくるのは【臭い】です。
朝の通勤ラッシュが嫌なのは、汗ばんだ他人の腕が触れたり、色んな臭いに囲まれた時に逃げ場がないこと。体臭も気になりますが、案外、頭も臭います。その臭いにやられながら、自分は大丈夫だろうか?と心配になったりもします。困ったことに、人間の鼻は、他人の臭いには敏感ですが、自分の臭いには鈍感なんですよね。
今回は頭皮の臭いの原因と対策について、お伝えします。
目次
頭皮が臭う原因
頭を何日間か洗わなかったら、頭は当然、臭います。頭皮には髪の毛が密集して生えており、髪の毛の根元には汗や皮脂が溜まるからです。特に皮脂は、皮脂腺が顔のTゾーンの2倍もあるので、例えば病気などで頭を洗えなかった時、1日洗えなかっただけでも、油っぽくベタっとするくらいの量になります。
通常、皮脂は頭皮を守るものとして、バリア機能を果たしていますが、皮脂が酸化すると皮膚常在菌の影響でノネナールという臭気成分が発生します。このノネナールがツーンとした嫌な刺激臭の正体です。
しかし、髪の毛を毎日洗っているにも関わらず、頭皮が臭ってしまう場合もあります。
栄養バランスが偏った食生活
肉や揚げ物中心といった栄養バランスが偏っている食生活を続けていると、皮脂の中に、脂質やアンモニアなどの老廃物が多く含まれるようになります。脂質やアンモニアは皮膚常在菌の餌となる成分ですので、これらが増えると、ノネナールが発生しやすくなります。
ホルモンバランスの乱れ
不規則な生活リズムや飲酒、月経やPMS症候群などの影響で、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンの分泌が盛んになります。男性ホルモンには皮脂分泌を促す働きがあり、頭皮の皮脂分泌が過剰になると、頭皮の臭いが発生しやすくなります。
日頃のストレス
日頃のストレスなどで体の中に活性酸素が増えます。活性酸素はウィルスや有害物質を身体の外へと排出する働きもありますが、一般的には【身体を酸化させ、老化を招く物質】として知られていると思いますが、もちろん、頭皮の皮脂も酸化させます。
加齢による肌の変化
20代は水分量、皮脂量のバランスが良くても、30代になると水分量が減り、頭皮も乾燥しやすくなります。頭皮が乾燥すると、身体が乾燥から頭皮を守ろうとして、不足した水分量を補うように皮脂分泌が盛んになります。
間違ったヘアケア
使用するシャンプー剤の洗浄力が高すぎると、必要な分の皮脂も洗い流され、頭皮が乾燥しやすくなります。頭皮が乾燥すると、身体が乾燥から頭皮を守ろうとして、皮脂分泌が盛んになります。
また、シャンプー剤を泡立てないで使用すると、頭皮の汚れが落ちないばかりか、頭皮にシャンプー剤が残りやすくなります。頭皮に残ったシャンプー剤が頭皮の汚れに蓋をする形で、頭皮に汚れが積み重なっていきます。これは油汚れが落ちにくい、キッチンのガスコンロ周りと同じような状態になっていると考えても良いでしょう。
ヘアドライヤーで髪の毛を乾かさないでそのまま寝てしまうと、頭皮に蒸れが起こります。適度な湿度+温度により、皮膚常在菌が増えやすくなります。さらにそのまま頭皮が乾くと、頭皮が乾燥して皮脂を分泌もするので、ノネナールが発生しやすい状態になります。
病気
病気が原因で頭皮に臭いが発生する場合もあります。
・糖尿病 身体の中にケトン体という物質が増え、ケトン体が皮脂腺から放出されると、口や身体から甘酸っぱい臭いがする場合があります。
・魚臭症 身体の中にトリメチルアミンという物質が溜まると発症する病気で、生臭い魚の臭いを発生します。トリメチルアミンは肝臓で分解されるものですが、肝機能障害でトリメチルアミンが分解されなくなると、この病気になります。
・脂漏性皮膚炎 皮脂によって起こる皮膚炎で頭皮にかゆみや炎症が見られます。
病気が原因だと疑われる場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
頭皮の臭い対策
頭皮の臭い対策には、食生活の偏りをなくし、規則正しい生活リズムを心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
それから、シャンプーの方法を見直してみましょう。
頭皮に必要量の皮脂は残しながら、蓄積した皮脂汚れは取り除く必要があります。
正しいシャンプーの方法
髪をとかす
シャンプー前に、クシやブラシで髪を丁寧にとかし、絡まりをほどきます。髪の毛は濡れるとキューティクルが開くので、いきなりシャワーで濡らすと、絡まりやすくなるからです。ブラッシングすることで、頭皮の血行を促進し、髪の毛についたホコリや汚れを取り除くことができます。
プレーンリンス
髪をシャワーでしっかりと3分くらいすすぎます。頭皮のすみずみまでお湯が行き渡るようにしましょう。通常はこのことを、美容院では『プレーンリンス』と言います。このプレーンリンスにより、髪の毛の汚れは半分以上落とすことができます。お湯の温度は38度から40度くらいの少しぬるめに設定すると、頭皮の皮脂の取りすぎを防ぎ、頭皮の乾燥を抑えることができます。
シャンプーを泡立てる
シャンプーに少量のお湯を足し、手で泡立ててから髪につけると、髪につけてからの泡立ちが良くなります。シャンプーはしっかりと泡立てましょう。シャンプーは泡で、頭皮の汚れをしっかりと落とすものです。また泡がクッションの役目となり、摩擦から髪を守ってくれます。泡立ちにくい時は、シャンプーを足すのではなく、一度洗い流してからもう一度泡立ててつけると泡立ちやすくなりますよ。
頭皮を洗う
シャンプーでは、指の腹を使い、頭皮を擦るように洗います。爪を立てないように気をつけましょう。ポイントは頭皮をほぐすように優しく揉みこみながら洗うことです。耳の後ろは、皮脂汚れが落としにくく、臭いが出やすい部分ですので、注意深く洗いましょう。基本的に洗うのは頭皮だけで十分です。髪の毛は泡を通すくらいで大丈夫です。
すすぎ
シャンプー後のすすぎは、かなり丁寧に行います。指の腹を使い、頭皮をマッサージするようにながし、地肌にシャンプーが残らないようにすすぎます。目安はシャンプーの3倍くらいの時間をかけるようにします。
頭皮にシャンプー剤が残ると、臭いの原因にもなりますし、かゆみや炎症の原因にもなります。特に市販のシャンプー剤に多い「高級アルコール系」の洗浄成分が使われているシャンプーは、生分解性が悪く、頭皮に残りがちなので気をつけましょう。
トリートメント・コンディショナーなど
トリートメントやコンディショナーは、髪の毛を保湿し、滑りをよくするものです。
頭皮にはつけないように気をつけましょう。
トリートメントのすすぎは若干しっとり感が残るくらいでも大丈夫です。
正しいドライの方法
髪の毛を乾かす時は、まず、タオルでしっかりと水気を拭き取ります。髪の毛先はこすらないように、タオルを毛先に巻きつけてから、押し付けるようにポン、ポンっと抑え、水分を吸い取るようにします。頭皮の水分も、タオルを押し付けるように吸い取ります。
毛先に洗い流さないトリートメントをつけてから、髪の毛を乾かします。最初は手グシで、髪を持ち上げて襟足の頭皮から乾かします。次に両サイドのモミアゲ、最後にトップの頭皮の順に乾かします。
頭皮を乾かす時は風量は大にして、なるべく素早く乾かすようにしてください。じわじわと熱を加えて乾かしたり、自然乾燥にすると、髪の毛も頭皮も乾燥が進みます。
頭皮がしっかり乾いたら毛先は8割くらい乾いている状態だと思います。ここからブラシを使ってブローしましょう。クルクルドライヤーを使う場合も、ここからです。コテやストレートアイロンを使って髪の毛のスタイリングをする場合は、完全に髪の毛が乾いてからにしましょう。
まとめ
今回は頭皮の臭いの原因と対策についてお伝えしましたがいかがでしたか?
頭皮が臭わないようにするには、過剰な皮脂分泌を抑えるように、栄養バランスのとれた食生活、規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。それから、正しい方法でシャンプーやドライを行いましょう。
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それでも頭皮の臭いが気になるという方は、月に1度か、2度、美容院でヘッドスパのメニューを取り入れてみるのも良いと思います。ヘッドスパでは通常のシャンプーより時間をかけて、しっかりとマッサージしながらシャンプーするので、毛穴付近に溜まって自分では落としにくい皮脂汚れを落とすことができ、ストレスも解消するのでおすすめです。
頭皮が臭わず、快適な夏を過ごせると良いですね。